故 幸宣佳先生との思い出…


スランプと幸先生

私が15歳くらいの時、スランプに陥りました。

何をやってもダメでした。

幸宣佳先生には

「やめてしまえ」

とも言われました。

自信が全て失われました。

どうやったら良いのかも分かりませんでした。

このままだったら、自分はどのように生きていけば良いのだろうとまで考えました。

そんな日が2年も続きました。


私が17際の時、1977年、幸先生が倒れられました。

亡くなるまでの2週間、私は先生のお側にいました。

そして、9月6日。

幸先生が亡くなりました。

その頃の記憶がほとんどありません。

お通夜、告別式…

先生が亡くなっても舞台はあります。

舞台に穴を開けることはできません。

スランプだからできませんとも言うことはできません。

 

先生の告別式などが終わり、久しぶりに学校へ行きました。

そこへ幸先生の奥様から連絡が入りました。

「今日、申しわせだよ」

この舞台のこと、全く覚えていませんでした。

そして学校の先生に事情を話し、申し合わせへ。

申し合わせ、舞台とこなしました。

ほとんど記憶がありません。

でもボロボロの舞台だったと思います。

 

幸先生が亡くなったことを悲しんでいる間もなく、舞台をこなしていく中で、いつしか私はスランプから脱していました。

幸先生が助けてくださったように感じます。